これほどまでに栄えたティカルがなぜ滅んでしまったのか、いくつか説があるそうです。大学で考古学を専攻したというサンライズツアーのガイドさんがいうには、都市のスケールが人口増加のペースに追いつかずに滅びてしまったというものや、20世紀半ばにペンシルバニア大学の考古学チームが明らかにしたという、漆喰を作るために燃料の木材(森林)を大量に伐採し、環境破壊が原因で人が住めなくなったというものなど、いろいろな仮説があるそうです。しかし、まだ確定的なものはなく、まだまだ発掘調査は続いているのだとか。
カンボジアのアンコールワット遺跡にも似たところがあると思ったのですが、巨大な文明が栄えたあと長い間ジャングルに眠っていた遺跡だけに、まだまだいろんなミステリーがあるんですね。そこがまた、ティカル遺跡の魅力でもあるのだと思います。
メキシコのチチェン・イーツァー遺跡と同じ「中米・カリブ地域」に栄えたマヤ文明のティカル遺跡では、主に翡翠(ひすい)が宝飾品の材料として使われています。下の写真は、グアテマラシティにある国立考古学民俗学博物館にある展示品のひとつで、ティカル遺跡から発掘された翡翠の仮面です。これは、インカ帝国が栄えた南米の黄金文化と異なる特色なのかと思います。
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